春の光を飲んでいる川、川に冬の皮膚を流した私、夕焼けに羽をからめるムク鳥、光の残骸を毎晩着る蟻・・・こんにちは春。 「篠ア美江子」




 
 
 


「たたずむ」


雲が たたずむ
木々が たたずむ
子供らの 笑い声が たたずむ


小さな男の子の 指先の涙が たたずむ
頬をつつむ お母さんの両手が たたずむ


子をおんぶした 母の足先が 地面に弓をはなつ
散った 桜の花びらが 身を寄せあう


たたずむ水の耳が 日々 大きくなる
口のきけない写真が 私の部屋に たたずむ



篠ア美江子
19.5.12


                             

 
 『ことばのおへやvol.1』2018
  
『日本現代詩人会』第6期入選 「口上」ホームページに掲載されています


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