6月は雨の日の数だけ雨宿り。家族の命日、病院通い、鳴き声だけの鳥に会い、葉っぱの水玉を揺らし、叶わない口約束ばかりで、日々を暮らす。「篠ア美江子」


 
 
 

「小夏」


雨が 空を くだる
どうどうと 夏が来ない


夏の汗は 身体の奥に ひっそりと息づいて
買い物に出る 私のうなじで
くすくす 笑いたくて しかたがない


雨に倒れる土に 暮らす
つながれっぱなしの 雑種犬は
軒も無く 今日も 小屋で鼻をうずめている


雨の夜 
もう 待ちくたびれた
誰かが 打ち上げ花火を 上げました


少しの夏から 沢山の夏に なるので
暑さの お見舞い 申し上げます

令和1年小夏


                             

 
 『ことばのおへやvol.1』2018
  
『日本現代詩人会』第6期入選 「口上」ホームページに掲載されています

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