| はじめに 吸気系の効率化を図るとされている「サイクロン」の模倣モデルである「渦流発生による燃焼効率改善装置」(以下「コザイクロン」と称する)の試作モデルを通じて、吸気効率改善に対する効果の検証と考察を行う。 仮説 1,吸気を整流すると、出力の向上と燃費の改善が得られる。 2,吸気に渦流を発生させると整流効果と充填効率の向上が得られる。 3,充填効率が向上すると出力の増大と、燃焼効率の改善が得られる。 ∴「コザイクロン」を装着すると出力と燃費の向上が得られる。 構造 吸気管内径65ミリに合わせ、ポリプロピレンシートを直径65ミリ高さ50ミリの円筒形に形成し、その内部に渦を生むように6枚の羽を配置する。気流に渦を発生させることを優先させる為、羽ピッチはx度と仮に設定する。 設置位置は、エアフロセンサーの直後とする。 検証 装着後、通常の通勤路(行程約45km)にてレスポンスを確認する。(数値的なデータが収集できなかったことはご了承いただきたい) 全般的に3千〜4千回転付近のアクセルレスポンスが敏感になったように感じ、中間加速域のピックアップに関して非装着時より向上したような印象を受ける。また、ハイギア時の低速走行(5速2千回転以下)での加速に関し改善を認めた印象である。 零発進加速時は若干のもたつきを感じ、特に2速3千回転までの加速に関しては非装着時よりもアクセル開度が大きく、加速感も薄れるような印象である。 高速走行時、約120km/hまでは、非装着時と特に大きな体感の違いはなかったが、それ以上の加速時に非常に加速が鈍い印象を受けた。 燃費に関しては特に大きな変化はなかったが、収集したデータが検証に対して少なすぎるため、信頼性がおけないため判断は困難である。 以上、約2週間に渡り継続使用を試みたが、結果、非装着時の加速感に関して著しく優位な点が見られず、またアイドリング時のハンチング(600 〜800回転域)が確認されたため、継続使用に対する弊害の恐れから使用を中止した。 使用中止後、ECUリセットを行う。現在まで、使用後のトラブルは発生していない。 考察 吸気に対するエンジンのマネジメントシステムは、吸気量に対する適切な燃料噴射を行うことによって、出力を引き出している。吸気量はエアフロセンサーにて測定されるが、「コザイクロン」は絶対的な投影面積が大きいため結果的に吸気速度を低下させてしまう。つまり、エアフロで測定された結果に対して誤差を生み出してしまうということである。また吸気流は一定ではなく、アクセル開度によって増減し、状況によって瞬間的な気流量の変化を起こす為、投影面積の減少による瞬間的な気流速度の遅延は、アクセル開度に対するレスポンスの低下を引き起こす原因となることが予測される。 上記の要因は、検証によって体感及び確認された、零発進時のもたつき感と、アイドリング時のハンチング現象、高速走行時の体感出力低下によって証明されるものと思われる。 3千〜4千回転付近のアクセルレスポンスに関しても、上記が原因とすると、有意な改善というよりは初期のもたつき感が、エンジントルクの回転数に伴う増大により体感的に改善されたように思わされているだけ、という公算が大きい。 そもそも、仮説として渦流を発生させることを目的とするためのピッチ角であり、それに伴う投影面積の減少であるから、吸気抵抗の増大による性能低下を引き起こした結果になっていることは、設計自体が目的を達していないということの証明であると思われる。 ここで、仮説に対する一つの疑問が浮かび上がる。果たして渦流を発生させることが真に重要である事なのか?直進してくる弾性体に対して、回転モーメントを与えることは、ベクトルへの干渉であるから、直進性に対するエネルギーのロスは必ず発生しているはずである。吸入方向に対するエネルギーのロスが発生しているにもかかわらず、充填効率が向上するような現象は果たしてあるのだろうか? 今後の検証として、渦流の発生自体に重点を置かずに、整流という観点を重視した試作品にて、上記疑問点の証明を行う予定である。 今後の予定 整流効果を重視するため、ピッチ角を小さくした「ナローピッチコザイクロン」の作成及び検証。 渦流の発生を目的としない「零ピッチコザイクロン」の作成及び検証。 乱流制御の観点から、整流効果とポンピングロス現象を目的とした「MPコザイクロン」の作成及び検証。 以上 |