はじめに
 吸気系の効率化を図るとされている「サイクロン」の模倣モデルである「渦流発生による燃焼効率改善装置」(以下「コザイクロン」と称する)の試作モデルを通じて、吸気効率改善に対する効果の検証と考察を行う。
 今回、試作弐号機(通称「ナローピッチコザイクロン」以下、「ナロー」と称す)の検証を行ったので以下に報告する。

仮説
 (前回の仮説)
 1,吸気を整流すると、出力の向上と燃費の改善が得られる。
 2,吸気に渦流を発生させると整流効果と充填効率の向上が得られる。
 3,充填効率が向上すると出力の増大と、燃焼効率の改善が得られる。
∴「コザイクロン」を装着すると出力と燃費の向上が得られる。
 この仮説は、検証と考察によって証明することが不能であった為、「ナロー」による検証で上記の仮説に対する再検討を行う。

 (「ナロー」における仮説)
 1,吸気において渦流を発生させる為のピッチ角は、投影面積の減少になり吸気の障害となる。
 2,渦流の発生はエンジン出力に大きな影響を与えない。
 3,整流を目的としたピッチ角でもエンジン出力に対して何らかの効果を得られる可能性はある。
∴「ナロー」を装着するとエンジン出力特性に対して何らかの効果を得られる可能性はある。

構造
 吸気管内径65ミリに合わせ、ポリプロピレンシートを直径65ミリ高さ50ミリの円筒形に形成し、その内部に渦を生むように6枚の羽を配置する。気流に渦を発生させることよりも整流を優先させる為、羽ピッチは「コザイクロン」のピッチ角に対してx/2度と設定する。
 設置位置は、エアフロセンサーの直後とする。

検証
 装着後、通常の通勤路(行程約45km)にてレスポンスを確認する。(数値的なデータが収集できなかったことはご了承いただきたい)
 体感として、非装着時と比較して2500rpmからの低速トルクが向上した印象を受ける。トルク特性はフラットで、回転数の上昇と比例してつづく加速感は約5000rpm付近まで持続する印象である。
また、ハイギア時の低速走行(5速2千回転以下)での加速に関して、「コザイクロン」装着時と同様、改善を認めた印象である。
 零発進加速時の加速感にも不自然な印象はなく、低速域のトルク感の向上により、加速時の変速回転数を常に2500rpm以上に設定できれば、非常にフラットかつ軽快な加速感が得られる。低速ギアで走行時にリアトラクションが減少した状態でラフにアクセルをあけると、比較的簡単にテールスライドを引き起こすことができる。
 高速走行時、約120km/hまでは、非装着時と特に大きな体感の違いはなかったが、それ以上の速度域に関しては十分なデータを採取する事が困難であった。
 燃費に関しては特に大きな変化はなかったが、平均して約14km/lは維持できているため、特に改善も悪化も得られていないと思われる。但し収集したデータが検証に対して少なく、信頼性がおけないため判断は困難である。
 以上、約2週間に渡り継続使用を試みた結果、「ナロー」は「コザイクロン」に対し低速域のトルク特性が向上した印象で、非装着時に対しても体感的に有意な差が体感的に得られた。
 使用中止後、ECUリセットを行う。現在まで、使用後のトラブルは発生していない。

考察
 結果として「ナロー」は体感的に有意な変化を認めた。(あくまで「体感的」に、である。スマン!)低速域からのフラットなトルクの立ち上がりによって、非常に扱い易い出力特性が体感できる(はず)。
 「コザイクロン」試作壱号機の問題点であった、吸気量減少に伴う様々な現象は羽ピッチ角をX/2とすることで無くなり、変わって吸気効率の改善を示す現象が現れた。投影面積はx/2となっても「コザイクロン」無しと比較すれば減少している。また壱号機に比較して「ナロー」はピッチ角を少なくしているため、吸気に対する回転モーメントを与える要素は減少しているはずである。にもかかわらず、吸気効率の改善を示すと言うことから予測されるのは、筒内気流における回転モーメントは吸気効率の改善に寄与していない、もしくは発生する回転モーメント気流の状態が、筒内全域での回転気流にはなっていないということである。
 仮説にて予測したように、ピッチ羽で区切られた空間を気体が通過する際に、気流に対して何らかの影響を与えているはずであるが、それは今後の検証が必要である。
 上記の検証を行うため、渦流を発生させない「零ピッチコザイクロン」と、ピッチ角に対する気流の影響を検証するための「スーパーナローピッチコザイクロン」の作成を行う。

追記
 高速、高回転運用試験は都合により行えなかったが、モニターからの報告により高回転域のレスポンスが低下するとの報告を受けた。
やはり、羽ピッチ投影面積の増加が吸入量の上昇に伴い抵抗となっていると予測される。
 下記試作品にて、吸入効率改善と投影面積抵抗のバランスが重要だと思われる。

今後の予定
 渦流の発生を目的としない「零ピッチコザイクロン」の作成及び検証。
 整流効果の重視と気流に対するモーメントの発生を検証するため、さらにピッチ角を小さくした「スーパーナローピッチコザイクロン」の作成及び検証。

以上

2001/6/29

報告者 ネモ

(参考資料)ナローピッチコザイクロン画像

左:試作壱号機「コザイクロン」 右;試作弐号機「ナローピッチコザイクロン」

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