車を購入したらノーマルのままでいられないのは、車好きの性というもので、気が付くとあちこちに手が入っているのだが、モディファイの方向性を見失い、ただ単にパーツの寄せ集めになっていた・・・なんて事を、今まで繰り返してきた。

・・・その反省を踏まえて・・・

 MR-Sを手に入れたときに、モディファイのテーマをあらかじめ決めることにした。

 MR-Sそのものが目指した最大の方向性は「軽量化」によるエンジン出力に依存しない「スポーツカー」であること。ノーマルが持つ特徴のベクトルをそのまま延長して行くことで、何か得るモノがあるのではないか?

 外観はノーマルだけど、実はチョット違うんゼ!的なノリもあるんだけどね。(笑)

 と、まぁそういうわけで、今回は足回りのモディファイである。前述の理由により、あくまで車高は落とさず、極力ノーマルの挙動を生かすには、スタビライザーの交換にて対応するのが効果的と思われる。

 TRDからスタビライザーは販売されていたが、基本的に単品での使用には向いていないようだったので見送ってきた。

 そんな折り、TTEからスタビが発売されたとの情報を聞き早速購入した次第である。

 右写真はリアスタビのリンクの様子。スタビ末端に3つの穴が開いており、遠位端から近位端にかけ、減衰力がアップする構造になっている、いわゆるプリセッティングタイプの3段調整式スタビライザーである。

がまぶしい・・・。

 全体的にはこんな感じ。

 パイプ径は17mmである。

下まわりがチョット汚いのはご愛敬ということで・・・。

 フロントはこんな感じ。調整は前後とも二段目でセッティングした。

 フロントのパイプ径は22mm。

 ちなみにスタビの価格は、前後で¥58000工賃が¥7000取り付けはネッツに依頼した。

 この価格が高いか安いかは、後半のインプレを見て判断すべし。

 フロントスタビと各種パーツの位置関係はこんな感じ。脱着にはメンバーブレースを外さないとダメ。DIYでやるのは結構面倒かもしれない。

注)ここからはテキストのみです。想像力を働かせてください。(笑)

 

 スタビ装着後のインプレをする前にノーマルの挙動について感想と見解を・・・。

 MR-Sは軽量化を主眼に車体を構成しているので、4輪ともストラット式のサスペンションを採用している。またミッドシップという、基本的運動性能に優れたレイアウトを採用しているため、回頭性能や旋回性能、トラクションのかかり方などは、FFやFRより有利な条件にある。

 ただし、市販車として販売するためには、万人向けの挙動をもって由とする傾向があるため、基本的には安定志向の味付けがされている。
特徴的なのは、ロングホイールベースの採用と比較的減衰力が低めのサスペンション設定である。回頭性の高さと安定性の確保という一見相反する能力をバランスさせるため、

MR-Sは、前輪軸を重量物であるエンジンから離すことにより、慣性モーメントの軽減という観点から、操舵に対するリスポンスを向上させている。

ただし、この手法で得られる旋回時の運動は、リアに対してフロントが(エンジンに対して前輪が)切れ込むので、旋回速度が上がるほど、フロントサスに対する負担が著しく高くなり、アンダー傾向を誘発しやすくなるため、一気にグリップが破綻する可能性が高い。そのために、サスペンションの減衰力を低めに設定することでロールを早めに誘発させ、リアのジオメトリー変化によるトーインによって後輪軸の旋回方向への運動性を補助することにより、旋回性能と安定性の両立を図っている(と、思う)

 だたし、この傾向が安定した状態でいられるのは、ノーマルである事と、単独でのカーブを考えた場合だけである。実際にワインディングで、タイトコーナーの切り返しが連続するような状況だと、ロールスピードと切り返しのタイミングに微妙なズレがあり、コーナー脱出時にアクセルオンをしたくてもロール角度が深いため、トラクションがかからずに次のコーナーへの姿勢作りが遅れる。

 この傾向は、車体補強を行うとより顕著になる。サブフレーム等で車体の捻れ剛性を高めると、コーナリング時の加重は外側タイヤに大きく加わる。

 そうすると、タイヤの仕事量が増えるため、サスペンションへの負担も増大する。対応策として、ロアアームバーにて補強を行うことになる。

 この様に、サスペンションジオメトリーの余分な歪みを抑制する事で、トラクションを得ようとするのは、間違った考え方ではないが、それだけでは不十分である。(と思う)

 外側タイヤのグリップが想像以上に不足してしまうので、やはりアクセルは踏めない状況に代わりはないのである。
仮に、ハイグリップタイヤを使ったとしてもロールに対する切り返しが激しくなるので、非常に忙しいハンドル操作を続けなければならない。

それは決して「楽しい」とは言えないモノである。(と思う)

 では、どのように対処を行うか?

対処法は簡単。ロールを抑制して外側にかかる加重を少なくしてやればいい。

方法は、いくつかある。

  • 車高を下げ、ロールセンターを下げることによりロール量を少なくする。
  • バネレートを上げ、ロール量を少なくする。
  • ショックを交換し、バネレートと減衰力を調整しロール量を少なくする。
  • スタビライザーを強化することでロール量を少なくする。
  • 上記のもの全部を採用する。

上記のいずれの方法でも、効果は得られる。が、どれを採用するかは資金と使用状況と目的によって違う。

 私の場合。

 使用状況は主として一般道。通勤がメインである。山岳道を1/3で残りが一般道である。路面状況は若干の荒れ気味で降雪もある。
 このような状況で車高を下げると、確実にフロアヒットする。いや、しないかもしれないが気を使って運転するのはカンベンである。

 安易にバネ交換のみで対処すると、不要なピッチングの増加を招くと同時に、純正ショックのストローク量減少により、うねりのある路面では挙動が不安定になる可能性が高い。

 車高調でショック一式を交換する。これは有効であると思われるが、使用状況が一般道のみである私にとっては宝の持ち腐れである。購入する資金も無ければ、セッティングする余裕もない。
 ツルシの車高調で我慢できるほど心が広いわけでもない(爆)

 とまぁ、こういうわけで私はスタビ交換を選択したわけですよ。

 純正サスの挙動は、個人的な印象だと低中速域ではいい仕事すると感じる。極めてニュートラルな路面追従性は非常に「楽しい」。ただ、そこからさらに上の領域に行くと性格が非常に悪くなる。サスが仕事を途端にやめたかのように反応が遅れる様に感じるのである。それまでの感覚系のフィードバックを切り替え無くては、車の挙動に振り回されることになる・・・。これは「楽しく」無い。

 んじゃ、交換したらどうなったのよ!

 これが、けっこうイイモノなんですよ、ダンナ。

スタビライザーが、その効果を発揮するには、ある程度の速度とコーナーの深さが必要である。通常の旋回であれば、ほとんどノーマルと変わらない。速度を上げて行くにつれ感覚的には「オン・ザ・レール」といった印象になる。
さらに、Gがかかる領域まで行くと、ノーマルでは外側タイヤを軸にしての半回転するようなGのかかり方が(外側サスのボトムと内側サスのリフトの差が大きい)、水平方向に加わるような感じに変化した。この状態でもトラクションに余裕があるから、コーナー脱出の為にアクセルオンすると、in側にフロントを巻き込むようなかたちでスパッと向きが変わる。アクセルで曲がる感じといえばよいか・・・。

回頭性のレスポンスが向上したせいで、ブレーキングを遅らせて、コーナーに侵入しフロント加重と共にステアを切り、クリッピングをコーナーの奥に設定しながらアクセルオンすると一気に向きを変えつつ加速体制に移行できる。

このときの脱出速度は、ノーマル比で約20%増といったところか、しかも重要なのは「恐怖感」を伴わずに20%増というところにある。

ホントに笑っちゃうくらいよく曲がる(笑)

 但し、欠点もあり。サスペンションは基本的にノーマルだから、ピッチングに関しては特に変化がない。ローリングは抑制されているのにピッチングはフリーのままという感覚は、馴染めない人にとっては不快であろうと思われる。勾配を伴うコーナーなどでは特にその傾向が顕著に現れるであろう。(ちなみに私は不快とは感じていません)

 もう一つ。コーナー脱出速度が上がったにも関わらず、ストラット部に何も手を着けていないので、グリップ状況が破綻したときには、一気に飛びます(爆)
コーナー途中の砂や突然のウェット、雪道も気を使わないと板金一直線になることは確実でしょう。安全第一!

 と、まぁ長々と書いてきましたが、興味のある方は一度体験すべし!これにつきます。オフなどで私を見かけたらお気軽に声をかけてください。試乗大歓迎でございます。

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